電脳東京本店 -6ページ目

黒松内



南の島で弛緩し切ったオレには、

少々ひんやりした場所で仕事してこいってことか? > 当探偵事務所のスタッフ



わかったわかった。



で、なに、ミッションを完璧に遂行するためには

陸路でのアプローチが必要?



わかったわかった。


で、場所は?




北海道です。



_| ̄|○




  ( 中 略 )








やってきましたブナ北限の地。


ここでゆっくり過ごしたいから、飯を食う以外は

わき目も振らずステアリングを握ってきた。


いきなりカミングアウトするが、オレは森フェチだ。

そして、森フェチにとってブナの森ほど極上のご馳走は無い。

(と思うけどね)




快晴で気温は23℃。

車の中で感じる日差しは暑かったが、町にいくつかある

ブナの森に近付くと清浄な冷気が漂う。


キモチいい~


その高い保水力によって、特異で豊かな生態系を維持する

ブナの森は極めて貴重な存在になっている。


ゆっくり大きく呼吸しながら森を歩く。

何をするわけではないが、あっという間に時間が過ぎた。

まあ、ナニはしたわけだが。_| ̄|○




海の上と同じくらい静かだった






気持ちよかったぁ 



諸々すっかり満足したオレは、初めて走る

雪の無い北海道の景色を楽しむ余裕が出始めていた。


さあ、仕事は首尾よく片付けちまって生ビールとジンギスカンといきますか!?







倶知安の牧場を抜ければ目指す街まで1時間だ













あ、帰りは空路で頼む!> スタッフ

玉城





4日間の慶良間周遊クルーズから宜野湾に帰って、

ふらっと行ったのが南部のビーチだ。



中部のリゾート型ビーチに比べて静かなのがいい。


混む時間帯を避けてカフェに入る。

水平線をぼーっと見ていると、何だか体がまだ揺れているようだ。



航海中、天気は曇りがちだったがクルージングにはそれが最適だった。

沖縄の紫外線を船上でモロに受け続けるのは遠慮したい。


それでも顔と腕と脚は、暗がりで見ると自分の身体の一部とは

思えない色合いをしている。


今回もっともラッキーだったのは、が強く吹かなかったことだ。

それでも陸に上がってしばらくは、地に足を付けた感覚が懐かしい。








脳みそ空っぽである。






オレはレモネードを飲みながら、

今週はゴルフコンペのために東京に帰らざるを得ないなぁ

などと思ったものの、また水平線を見ているうちに

何を考えていたのかも忘れていた。

しかし、今日になってGoogleのやっとTokyoに上陸した

ストリートビューに気付いたぜ。_| ̄|○

すっかり浦島太郎だ。_| ̄|○

でもスゲーなー、礼美の家の車のナンバープレートもバッチリ

写ってるし。_| ̄|○



宜野湾 1




マリーナ1番のクルーザーの内装工事が急ピッチだった。

この型で40フィート以上は滅多にお目に掛かれない。


バブルの名残を感じさせる仕様だ。_| ̄|○







2ベッド&2バスルームだ







海の道楽は、男の道楽の中でも最終形に近いのではないか。

金とヒマが腐るほど要るのだが、そこに何があるのかと言えば、

海だけである。


その金の使いようは、ほとんど贖罪の意識に近いようにすら思える。




まあ、そんな自他共に認め合うチョイ、いや、かなりワルだった親父たちが

海図を広げて奄美や与論の港の入り方や岩礁の在りかをめぐって

ワイワイと盛り上げる。


女には全く理解できない世界に違いない。


わかってるさ。

だから、女は陸(おか)に置いて、とっとと出航するのさ、オレたちは!






燃料タンクは満タンで軽油2400リッターさ






おんな村





東京は変な天気らしいじゃないか。





オレは、聞くからにイイことありそう場所にいる。

ぐははは







木陰の風が心地よい








紫外線は半端じゃない。

ただ、東京には無いの心地よさがある。


海と、朝夕の少し空気がひんやりした感じと、

蝉の声と。


夏は、ガキの頃の夏を感じられる場所がいい。




パンチラ!?








一文字隠してるけどね




_| ̄|○ マギラワシイョ。



SEO的な確信犯かもしれぬが、どはは。




横浜 3




とまあ、そういうわけだ。



そうなんだ。

速水君がそんな風に思っていたなんて、全然...



だから何だっていう話だ。どうということじゃない。

               (中略)

一番不思議なのは今、目の前にキミが居ることだ

30年前と何が変わって何が変わっていないのかさえ

わからなくなっちまうほど、何も変わっていない錯覚を覚えるね。

               (かなり略)

それにしても、三人の子どもが居ると言われてもピンと来ないような、

でもキミの顔を見ているととてもいい顔してるなあと何だか納得できるような。

               (全略)

オレの方が圧倒的に口数が多かった。

目一杯、平静を装いながら、かなりテンション上がっていた。_| ̄|○

くそ、どうでもいいこと言ってるぜ、今夜のオレは。_| ̄|○


実はあの頃、かなり近い感情をお互い抱きながら、

相手の気持ちはまったく違うと思い込んでいたっていうことはわかった。


住む世界が違うとさえオレは思っていたが。



        

腹減らないか?



頷く彼女の背中に手をまわし、店の方へ踵を返した。


今夜のワインは人生で一番甘く、そして相当酔うに違いない。

いいさ、酔っ払っても。









オレの中で横浜のイメージを象徴するものの1つ








今夜はもう、みなとみらいのホテルを取ってある。
_| ̄|○



横浜 2






今日だけは絶対に死ねない。



神様、頼むから無事にオレを横浜まで連れて行ってくれ。

彼女に会ったら死んでもいい。










左前方には横浜がぁ~っ!待ってろよ横浜ぁ!










そんな変な決意が自然に湧き起こるドライブだった。



館山道からアクアライン、そして湾岸から大黒ふ頭。

朝の雨が嘘のように東京湾は視界良好になっていた。

それなのに、自分でも驚くほど安全運転

たまに意味も無く走行車線でクールダウンしちまった。_| ̄|○



針の穴を通すような運命のいたずらと絶妙なタイミングの一致があり、

速水涼、本日、初恋の人と横浜でデートすることになりましたドキドキ


隣の中学からも見に来る奴が絶えないほどの美人。

品のある横顔。

眩しくて正視できない笑顔


オレのようなワルは相手にしてもらえなかったねぇ。



高鳴る鼓動と乾く唇。

待ち合わせの時間まであと10分。


みなとみらいが目の前に見え始めたとき、

彼女とほとんど会話した記憶がないことにオレは気付いた。_| ̄|○




会っても 話題が無ぇじゃねーか!

_| ̄|○







つづく


ゴルフ合宿 2008春





毎年この時期に行われる、妥協を許さぬメンバーたちの集い。

オヤジゴルフ合宿。



参加しない年もあったが、今年は諸事情により3日間の参加を

余儀なくされた。仕方あるまい、ムハハ。


いや、ゴルフは楽しい。

仲間との酒盛りも楽しい。


いいこと尽くめである。

握りさえ負けなければ。_| ̄|○

金も問題ではなく悔しいんだな、これが意外と。








料理も旨い、酒も旨い。まずいのは己の技か_| ̄|○








速水、おまえは明日はオレとはスクラッチでいいだろ。


オ、オレがっすか!?


不服そうだな。

今日のスコアで勝ち逃げもあるまい。 それとも、

ハンデが欲しいと土下座でもするか?


受けてたちましょう!

いや、お手柔らかに。片手シングルに下手な挑発は通じない_| ̄|○トホホ


そうと決まれば、ほらもう一杯。


ぐびぐび。

ふぅ~ こうなったら飲んじまいますよ。










二日酔いにもならず、6時には起床。

シャワーを浴びて、7時には朝飯。

8時にクラブハウスに着き、雨なので少しスタートを遅らせる。


結果。


辛うじて2アップタテ5000、ヨコ10000のレート、カワイイもんさ。

2日間は招待された計算になる。

よしよし。



さて、いいこいた大人たちの雨の中の大はしゃぎに付き合った後、

オレは南房総から一路横浜に向かわねばならなかった。



それは、30年越しの思いを成就させるための

熱く切ない心臓バクバクのドライブであった。







汐留 8







!?


見られている。


思い違いか。


いや、気配を感じる。

確実に見られている。



。。。



間違いない。




オレたちはいま相当数に猛烈に見られている。











数時間前。

とあるパーティー会場。



あー、どこかでお会いしましたっけ?

とりあえず名刺だけでも交換させていただいていいですか?



かなり古典的な声のかけ方。バブルの頃の自分を見ているようだぜ。_| ̄|○

ちょっと前からオレの周りをうろうろしていた娘だ。

マークしている対象者から目を離さぬように、オレは彼女の耳元で答えた。



オレは愛の言葉しか交換しない主義だ。

申し訳ない。



決まった。


こう言われて二の句を継げる若い女はほとんど居まい。

真顔で言えばドン引きされること請け合いだ。


が、惜しい。_| ̄|○


アンジョリーナ・ジョリーのような唇と、濃紺のスーツの上からでも

ハッキリと存在感を見て取れる大きな胸を視界の隅で捉えていたが

今のオレに会話を続ける余裕は無い。 



じゃあ、携帯とメアドを名刺に書いておきますから

3時間以内に必ず愛の言葉、じゃなくてもいいので送ってください。


。。。


それじゃ


。。。



ほんの一瞬オレは彼女の目を見て微笑み返すのが精一杯だった。

マル対が動き始めた。


まったく動きにくいパーティー会場だぜ。



料理よりデザートの方が旨いホテルだった。

普通、デザートが旨いと料理も期待できるのだが。




女の多いパーティーは逆ナンに注意!?








マル対とマル依の会話はしっかり押さえた。

パーティー会場はもうスタッフが片付けモードになっている。

今頃、別働隊がマル対が移動した建物を同伴者ごと狙っているはずだ。



さてと。

メールは面倒だ。

パーティー会場のエントランスで、煙草に火を付けながら携帯を鳴らす。


さっきのパーティー会場でキミが名刺を渡した男の中の1人ですが、なにか?

なにって、

まだお名前も聞いてないですが、なにか?

だいたい、キミはオレが誰だか知ってるのか?

知らないけど、今の私には必要な人なんだと直感したんです。

で、お名前は?


ハ・ヤ・ミだ。

キミと会って話しをしてもいいような気がなんとなくしてきたんだが、

オレはハッキリ言って危険だぜ。

名刺を渡した別の奴と混同してないか?


ホントに?! 

でも、携帯の番号を書いたのハヤミさんだけだから間違い無い。

恵比寿の○○って知ってますか。いまそこに向かっています。

友達が居るけど、30分もしたら1人になりますから。

これまた古典的な答えがだが、幸か不幸か今夜のオレは時間がある。

。。。わかった。

ちなみにキミは恵比寿に住んでいるのか?


いいえ。でも恵比寿は近いし、好きです。


本当はオレのことを知っているのか?



我ながら随分と気が緩んで、さっきからバカなことを聞いている。

少なくとも本当に会ったことがある人物ならオレは絶対に忘れない。


だが、オレをターゲットにしていたら?


今のオレに近付いてメリットのある人間をリストアップする。

さらに弱みを見せたらどんなカウンターを打ち込んでくるか組み合わせる。



。。。



該当者なし。とりあえず、そういうことにしておこう。_| ̄|○


ボディチェックと尾行チェックは入念にするか。









数時間後。



こんな暖かい季節の路上キスはいつ以来か。

ふらふらと酔いに任せて某国大使館前を通過、門番が微妙に反応。

大使館の敷地を30mは離れることにする。




5分、いや10分。

いや、もっとか。_| ̄|○

歩道の真ん中で睦みあう。

細長く揺れるピアスは盗聴器でもなさそうだし、

少なくとも上半身にはブラのワイヤー以外は金属らしきものは無かった。


アンジョリーナのは離れ難く。




しかし、

見られている。


通り過ぎるタクシーも冷やかしのクラクションを鳴らしていく。


大使館近くに駐車している機動隊バスの中からも

恐らくいろんなツッコミを入れながら絶対に見ている。

でもよ、どんなにリクエストされても、ここじゃキスまでだぜ。_| ̄|○



楽しみと解きはゆっくりと時間を掛けた方が面白い。

オレは彼女のマンションの前まで行き、おもむろに手を挙げた。

アンジョリーナの視線を東京無線が徐々に引き離していった。
は、いろんなことが起きる。






六本木 21




旨いビールがあるという。


旨い肴もあるという。



で、何者なの、その人。
僕ね、知らない人の車とおうちには入らないの。

_| ̄|○



人畜無害の人物だとわかった。

テレビでたまに見ていた顔を思い出した。










共用部も室内も内装は貧相










ビールと夜景は良かった。


が、

三井不動産、あの内装・仕様は無いんじゃないの?

あれで月の家賃が200万円じゃ、そのうちセンスの

無い人間の巣窟になっちまうぜ。



オレは地面に近いとこが落ち着くぜ。_| ̄|○


建物を出たオレは腹が減って赤坂ラーメンを食べるために車を拾った。

その時のオレの顔はもうニコニコしていたはずだ。