東池袋
複雑な話だった。
男女の仲に金が絡むと、厄介なことは際限なく出てくるものだ。
また、そういう話に限って関係者が多いときている。
高層ビルの窓からずっと見えていた眺めだけがオレの味方だった。
2時間も密室に居るというのは体がいやがる。
出口が見えた。
潮時だ。
結論は出ていたのだ、オレのひと言で一同席を立つ。
よしよし。
羽田の時間も気になりだしていた。
環状線外回りが銀座できつめの渋滞。
護国寺を避け、遠回りだが代官町を目指す。
春の首都高のアスピレーションは一年の中で
最も心地よく、ついつい踏み込んでしまう。
目の前の欲望には負けるタイプだ _| ̄|○サスが追いついていない。
タイヤか。
浜崎橋のカーブを抜ける。3速から2速。
1号線の直線。3速でレッド。
4速に入れながら、そろそろ足回りをいじらねば
とオレは思っていた。