築地 ~下水が東京湾に溢れ出す~
一昨日、東京では季節はずれのゲリラ雷雨があった。
この時季に?
誰もが思ったはずである。
紅葉の便りが北関東から丹沢にまで届くこの季節に。
旨い朝定が食いたくて、築地に行くことにした。
これが日本人の朝ごはんだったんだろうなあ
と、しみじみ味わっちまった。
実に旨い米と味噌汁とキンキの煮付けだった。
朝の築地はいいね、競りの声、リヤカーが行き交い、
たまにどこからか怒鳴り声も聞こえてくる。
飾らない古き良き江戸の香りがするようだ。
築地に居るダチの章ちゃんの事務所に寄った。
章ちゃんは、立会いも終わってリラックスして
若い衆に熱心に何かを語っていた。
ひとしきり積もる話をした後にオレは聞いてみた。
「じゃあさ、最近元気だった江戸前はどうなの?」
「今年は壊滅状態だよ」
「。。。」
やはり。
ゲリラ雷雨のせいだ。
ゲリラ雷雨があると、汚水はともかく下水は都市部での
氾濫を防ぐために浄化処理せずにそのまま海に流される。
そんな状態を引き起こすゲリラ雷雨が極端に多かった今年。
東京湾の水質は汚れ、水温は2℃上がったそうだ。
水温の2℃は、気温で言えば10℃以上の変化に相当する。
食性が様変わりする。
当然、江戸前の魚が住める環境ではない。
東京湾もすっかり亜熱帯化していたようだ。
厄介だね。
東京は便利で多くの人間が住んでいるわけだし。
それはそれとして、移転反対もまだあるようだが、
一部メディアに躍らされているな、あれは。
日本の農業のポートフォリオ化と将来を考えたら移転すべきだ。
もっとも現実的な問題は、耐震性。
大地震が来たら全滅だぜ。
市場機能が数週間でも停止したら大変なことだぜ。
江戸前の旨い魚が食える。
当たり前のことが当たり前にできることが幸せってことなんだね。
旨いものはみんな海外資本が高値で根こそぎ買っていくし、
生産者からしてみりゃ、高く買ってくれる方に売りたいわな。
あの「生キャラメル」の田中義剛だって、楽天を通して
台湾でも売り出すらしい。
千歳空港にどれだけ並んでも買えなくなるかもしれないぜ。
バーチャル東京