Naoshima 2 | 電脳東京本店

Naoshima 2





安藤忠雄を再認識するキッカケをくれたのが、

直島南岸の斜面に埋め込まれている地中海美術館だった。






採光部以外は地中。だがそう思わせない構造も面白い






妖しげな異次元空間に取り込まれそうな錯覚を覚える

アプローチとゲートも、安藤のオーディエンスに対する遊び心

溢れる挑戦を表したものなのかもしれない。


オウム教徒のようなスタッフユニフォームは何とかした方がいいけどな。

館内に一歩入ると、意欲的に切り取られた壁面とそこから

差してくるのラインダンスが直截に歓迎してくれているようだった。


話題のモネだが、作品自体よりも他の美術館ではお目にかかれない

ディスプレイをしてあって、非常に楽しい。


角度と距離によって色調の変化まで楽しめるモネがあるのは

やはりここだけだろう。




安藤と相性の良さそうなアーティスト作品が、その作品のために

用意された空間で存在感を遺憾無く発揮している。




今回もっとも長い時間居た場所は、James Turrellの「OPEN SKY」


太陽光と壁面のLEDの織り成す自然と人為の不思議な空間が

移り行く時間と共に体感できる。


これは、直島本村町内の南寺に設置された「BACK SIDE OF THE MOON」

と対照的だが、オレはTurrellの場合、「OPEN SKY」のように自然光を

使った作品が好きだ。


いずれもオーディエンスが作品を見ている時間、あるいは作品が

見えてくるまでに所要する時間を、作者と楽しんでいるかのような

遊び心があるので見ていて飽きない。


昨年だったか、妻有のトリエンナーレで登場した「光の館」が

谷崎の陰翳礼賛に触発されたと言われているが、うなずける。

ここでは安藤に触発されたのかもしれぬ。




一方。


ジュリアナの御仁が気に入っていたのは、

Walter De Mariaの「TIME/TIMELESS/NO TIME」だった。


寸分も狂いの無い幾何学的な空間、完璧なまでにゴージャスな空間に

ぽわわーんと移り行く雲や太陽の光。


火傷しそうなビジネスやギャンブルやお姉ちゃんに狂っていた時代の

狂気と、それを生み出す単純な仕掛けの人間の本性。


そんな対比があの頃を思い出させるのかもしれない。








人為と不変 普遍と自然



















でも、人によってはもっと?楽しめる「ミュージアム」が

直島にはある。


それは、まさに、

マニア垂涎寺清子である。_| ̄|○